"rankin'up" - Denon UPA-F10

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 先日、オークションサイトでデノン製の"UPA-F10"というプリメインアンプを手に入れた。昔、デノンから発売されていたハイコンポの一部だ。いかにもいい音を鳴らしそうな面構えをしていたので、その音が聴きたくなり、終了時間ギリギリで入札した。競る相手はおらず、そのまま終了。開始価格の約3,000円で落札でき、送料を含めて約4,000円のコストだった。

 拙宅に配送されたあと梱包を解き、早速UDA-1をDAC代わりに使う形でUPA-F10とつなぎ、スピーカーは4312MⅡにつないで、どのような音が鳴るのか、聴きはじめた。

 最初のセッティングはUDA-1のPhone端子の音をUPA-F10のCD端子へ入力し、鳴らしてみた。

 ……。鳴らされた音はスカスカなものだった。ちょっと期待外れ。デノンのアンプが鳴らす音の傾向からすれば、4312MⅡは相性がいいと思ったのだが、そうでもなさそうだった。そこでネガティヴな気持ちになっていても仕方ないので、今度はUDA-1のLINE OUT端子からUPA-F10のAUX端子へケーブルセッティングを変えてみた。

 最初のセッティングの音とは打って変わって、4312MⅡの評価をワンランクアップさせたかのような音が鳴らされた。やはりJBLのラウドスピーカーにはスピーカーの駆動力の高いアンプが合うようだ。UDA-1の出力段は、音質はたいへん良質なのだが、スピーカーの駆動力に欠けるきらいがある。4312MⅡをドライヴし切れていなかったのだなぁ、と思ってみる。

 UPA-F10の音は、僕の知っているデノンサウンドの傾向を色濃く反映したものとなっている。低域から高域までどこかが強調されるわけでもなくスムースにつながっていき、痩せた音は出さない。4312MⅡを鳴らすうえで必要な低域のドライヴァビリティが向上させたことにより、そのポテンシャルをよりよく発揮させていると言ってよいだろう。

 ただ惜しいのは、スピーカーターミナルが1組だという点。僕のようにスピーカーをとっかえひっかえ、その時の気分により使い分ける人間にとっては、ちょいと物足りなさを覚える。この音質でスピーカーターミナルが2組あれば、スピーカーの使い分けのみならず様々な汎用性が生じて、このアンプの価値を高めたことだろう。出音には満足しながらも、やはりスピーカーターミナルが2組装備されているミニコンポサイズのアンプを求めてしまいそうだ。

 ともあれ、よい買いものをした。