2017.10.06

 今朝の始まりはフィッシュマンズ『チャンス』から。朱入れ、なかなか進まず、終わらず。このまま本日の仕事場へ突入、などという物語展開になりかねない……。お薄をいれて、喫する。朝の一杯。佐藤伸治の詞にやられながら。


 フィッシュマンズディスコグラフィを見ると、フルアルバム『宇宙 日本 世田谷』とマキシシングル『WALKING IN THE RHYTHM』は今年がリリース20周年にあたる。後者は今月22日でピタリ20年だ。どちらの作品も、そして他の作品も「懐メロ」になるどころか、『新しい人』、つまり新しいリスナーを獲得し続けている。それはフィッシュマンズの音楽が〈エヴァーグリーン〉という特性をもつという証左だ。いまあらためてすごいな、と思うのと同時に、フィッシュマンズというバンドと関わった人たちと、佐藤伸治という異形で稀有な才能と同じ時代と空間を共有した、もとい、できた事実は、僕にとってたまさかの幸運だった。これを言祝がなければ、お天道様からの罰が当たる。たぶん、きっと。


 ひとしきりフィッシュマンズについて思ってみたのち、茶碗にカフェオレを作り、満たし(カフェオレボウルというコジャレたモノはない)、喫する。そののち、服薬。それを契機に家仕事を再開する。音楽の友はジャズの乱打に切り替える。
〔つづく〕
〔承前〕
 午前10時過ぎ、朱入れ完了。午前中に来るはずの荷物がまだ来ない。今日の午前中ではなかったのだろうか。荷物に関する自らの社会的読解とそれにまつわる記憶を疑ってみる。
〔つづく〕
〔承前〕
 12:00頃、本日の仕事場へ向かう。道すがら、『3年B組金八先生』に警官役で出演していた俳優と思しき人に遭遇する。もう確認のしようがないので、実物かフェイクかは分からない。「自分と似ている人間は世界に3人いる」という人口に膾炙した言葉が妙なリアリティをまといはじめる。

 21:00頃、帰宅。晩御飯をどうするか、迷う。食欲がない。イメージができない。よってプロテインシェイカーの中に低脂肪牛乳250ml、ソイプロテインをスプーン2匙分、ブドウ糖粉末をスプーン2匙分、抹茶を茶杓で1匙分をそれぞれ入れてシェイクする。シェイカーの蓋を開け、飲む。こうしてとりあえず、夕餉を実存として存在させてみる。

 なんの意味もない。

 プロテイン摂取後、服薬。ある薬の分量を間違えてしまう。重大事ではないので、気持ちの中でこのイシューはスルー対象に分類する。

 D-150からSS-86Eへ、A-α7が担当するスピーカーを変更する。Belden8460のアンプ側にバナナプラグをかまして、ターミナル端子に突き刺す。しかしBelden8460にバナナプラグは似合わない。このスピーカーコードの印象はやはりターミナル端子へ直付けして使うところに端を発している。それが僕の内のこのコードにまつわる原風景だ。出音的には、UDA-1では聴こえづらかった帯域が実在の音としてしっかりと表現されるようになった。SS-86Eはここまで鳴けるのか、とこのスピーカーに対する認識を新たにする。スピーカーをドライヴ能力の多寡は、やはり重要なのだな、UDA-1に無理をさせていたな、と己を省みる。
〔つづく〕