しもねたとユダヤ――ギルバート・ゴットフリードのネタに感謝する

ギルバート・ゴットフリートが鬼籍に入った。
67歳。

彼は、最高にえげつないジョークを武器として成り上がった、ブルックリン出身のコメディアンである。
それらのジョークの中でも白眉なのは、下ネタに関するネタである。
Tik-Tok内でも、よく投稿者にパクられていた。

ユダヤ系の人間のみに許されたジョークを縦横無尽に口にした。
それにより、自身の個性に基づく声色で世界を魅了した。
その前提には、自身の個性をジョークで表現し切っていた、ギルバート・ゴットフリード自身の知性の確かさがある。

彼のジョークを耳にするにあたり、
道徳的タブーを語ることを許された特別な人間なのだと、僕は思わされた。
その中には、ほとんどの人間たちからブーイングを喰らうような、いわゆる「ユダヤ系の人間のみに許された」ジョークも含まれる。

願わくば、ボブ・サゲットとともに、向こうからフィルシィジョークで笑わせてほしい。
「安らかに眠れ」と単純に口にできないような、ギルバートの死。
これからの時代において、あなたのいかれたジョークはさらに求められたはずだ。

ボブ・サゲットとギルバート・ゴッドフリードの現世からの旅立ち。
現代社会」おける堪えがたい損失だと、僕は考える。