there are nothing to like one #1.

 季節柄か、ブーツが欲しくなってきた。形はサイドゴアでヒールが付いている靴が望ましい。お色はダークブラウン、ブラックかブラウンの3色だったら好ましい。そして、本革製であればなおいい。だが、探しても一向に気に入る一足がないのだ。

 市場に出回っているのは、このところすっかり市民権を得たロングノーズ型のサイドゴア・ブーツばかりなのだ。僕が学生の頃履いていたマーチンのサイドゴア・ブーツ(当時は安価で買え、現在のようなバカ高い値付けはされていなかった)のような、全体的にバランスがとれた調和ある姿のブーツは、とんと見なくなってしまった。次から次へと見るのは、バランスの崩れた全体像をもつモノばかりだ。

 そんな僕も、つい最近、ついに「ロングノーズ」の革靴を3足買った。仕事用に必要ということで、履き潰してもよい4,000円代のモノだ。合成皮革で作られたモノはどうしても受け容れられないので、本革製の靴を探した。そうこうしているうちに、安い皮を部材に使ってコストダウンを図っている靴を見つけたので、ブラック・ダークブラウン・ライトブラウンを一足ずつ買ったのだ。これで、靴底が潰れてもいい、気軽に仕事場へ履いていける、つまりは「履き潰し用」として手に入れたのだ。

 実際に履いて仕事をしたのだが、外を歩くとき、ロングノーズの部分、言い換えれば、無駄に長い捨て寸分の長さにあたる部位が邪魔になって仕方ないのだ。いくら安価だとはいえ、これでは気分がダウナー方向へ沈んで行ってしまう。はてさて、これはどうしたらいいのだろうか?(つづく)

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