welcome to return of SANSUI

 昨日、我が家にサンスイ製のアンプが届いた。A-α7。何年ぶりになるのだろうか。そして、このサンスイトーンで音楽を聴くのは。ここ数年、もうサンスイのアンプを使うことはないだろうな、と思っていた。だが、コンポサイズのAシリーズにラインナップされている"A-α7"と"A-α9"は、同社のフルサイズのインテグレーテッドアンプの技術を反映させて造られているという。本当はA-α9を手に入れたかったのだが、オークションの入札で競り負け、誰かが次に出品してくれるのを待っていた。そこへA-α7が入札にかけられたのだった。

 さすがに現在の住環境ではフルサイズのプリメインは導入できない。ニアフィールドで使用するのに、607や707シリーズ、ましてや907シリーズはあまりにオーヴァースペックに過ぎる。そこで、A-α7をオークション経由で手に入れた。A-α7でも、ニアフィールドリスニング環境ではオーヴァースペックだ。縮小版のA-α7でも、ヴォリュームの位置を9時まで上げることはない。せいぜい「6」の目盛りまでが精いっぱいだ。それはDENONのPMA-7.5も、ましてやSONYのUDA-1に至っても、ヴォリューム9時のレヴェルで音楽を鳴らすのはそれ相当の勇気がいる。十中八九、両隣の住人を敵に回すだろう。過ぎたるは猶及ばざるが如し、とならないように気を付けなければならない。

 ともあれ、仕事机の左隅にA-α7を設置して、スピーカーにつなぎ、正常に音が出るかの確認をおこなった。外付けのHDDにある音源ファイルをUDA-1のDACへ流し、そこからアナログのラインアウトでA-α7のCDインプットにつないで音を送り込んでみる。――音が鳴る。右チャンネル、O.K.。左チャンネル、O.K.。左右の出音のバランスもとれている。ヴォリュームは……ガリなし。インプットセレクターも問題なし。オークションの出品者の説明には「CDのみ確認」とあったので心配したが、杞憂だったみたいだ。スピーカーはオンキヨーだが、聴こえるのはあの懐かしいサンスイトーンの音だ。

 かくして、DACSONY、CDプレイヤーはDENON、スピーカーはONKYOSONY、そしてアンプはSANSUIという、なんともアンバランスな機材構成となった。件のPMA-7.5Lがバランスを崩していたので、折を見て修理に出すこととし、しばらくはメインのアンプとして、いや、現状の生活が続く限りメインとして使おうと思う。

 あの頃と同じ音ではないが、この音がいまの僕の〈音〉なのかな、とレイドバックしながらもいまここに止め置かれる気持ちがした。
 〔了〕