ピート・シェリーは彼独特の甲高い声で、パンク・バンドらしからぬキャッチ―なメロディにのせてこう歌う。
「何にもうまくいかない、手にできるのは何?」
そう、この詞通り、生活は爪を立ててくるだけで、なんにもいいことなんて起こらない。
そんな今日この頃の日々を思う。
……世界一格好良いバンド、Buzzcocks。
「君と付き合うこともないし、君をさえ手に入れられないんだ」
そうなんだ。
ピートの歌声が僕の生の軌跡をなぞる。
三十五年前に起きたピート・シェリーとパンクのたまさかの僥倖は、僕の心の歌となっていまも鳴り続けている。
"What Do I Get?" by Buzzcocks