3月25日、金曜日。給料日。
今月は職業柄、実入りは少ない。
借金をせずに今月は乗り切れないだろう。
夕飯は1食あたり150円、安売りパスタ生活の始まり。
この歳になってもこんな生活と縁が切れない。
我が身の能力の低さを嘆く。
その日の最初の仕事場、立川での仕事を終え夜の仕事場、千葉へ移動。
そんな中、New Orderの新譜"Waiting For The Siren's Call"を千葉駅前の新星堂にて手に入れる。
CD。日本盤。
21時過ぎ、仕事を終え帰宅の途につく。逸る気持ちはそれほど湧かなかった。落ち着いた気持ち。
23時過ぎ、家に着く。夕飯を準備し喰らう。イラン対日本をTV観戦しながら、貧乏パスタ。
腹は膨れた。日本は負けたがどうってことはない。
(明くる土曜日、愛する仙台が勝利したから。それで充分だ)
24時過ぎ、明日の仕事の準備を始める。
早く終わらせてNew Orderを聴き、iPodへ取り込みたい。
24時半過ぎ、気のふれてしまった元いいひとが来る。僕には彼女の辛さを受けとめる余裕もなく、彼女に頼まれたCDを焼きながら、結局言い争う。
こんな関係は限界だ。性能の低い僕に君はこれ以上何を求めるのか。
26時過ぎ、元いいひと帰る。仕事を再開する。
27時過ぎ、体力と睡魔の限界が近づいてきたので、全てではないがとりあえず仕事、
終了。
27時20分、ようやく聴き始める。3曲目”Waiting For The Siren's Call”から涙が出てきた。リリックが突き刺さる。この場所に戻ってきた彼らの感情が表れているメロディーとともに。4曲目”Krafty”で涙が止まらなくなる。こういった詞がどうしようもなく突き刺さるのは、歳をとった証拠だと思う。若造にはわかるまい。
でも、もうすぐわかるよ。
そのまま、時が流れていった。突き刺さり、彼らの若づくりに戸惑い、その態度に微笑み、そしてまた、泣きながら。
28時50分、聴き終わる。眠る。なかなか寝付けない。
6時24分、新しい1日がはじまった。
以下、意訳。
“Krafty”
「ある者は夜明けに目覚め、遅刻しないように仕事へ向わなくてはならない
車に乗り道を走り行く あるべき道ではない道を
だけど、メシを食うためにはしなければならないこと
それが僕らの住む世界の性質
だけど、そこが居たい場所だったのかな
そして、それがしたいことだったのかな
もう1日だけ、僕にください
もう1晩だけでもいい
僕にはもう一度チャンスが必要なんだ
こんどこそうまくやってみせるよ
あるべき道のほうを見るんだ
木の下から星々を見上げること
そこには、TVなら気にも留めない世界の内側と外側が広がっている
暴力、戦争、そして殺人も、全てが24インチのブラウン管に小さく凝縮されているけど
その外には世界が素敵な場所として存在しているんだ
山々が、湖が、そして人間が
そしてそこが僕として存在したい場所
それが僕のしたいこと・・・
最後に言うよ
君に気付かせなくては
君の気持ちを変えられたら
君を行かせやしない」
― ホント、ありがと。