2018.08.30-31

 朝、晴れ、蒸す。昼、晴れ、蒸す。夜、風強し。

 僕の故郷、宮城が雨降りで大変なことになっているらしい。日本海側の地方ではないだけまだましなのだろうが、それでも心配にはなる。祖父の代からの墓があるだけで、実家は物理的な意味で跡形もない。それでも心がざわつく。大きな災害を引き起こさなければよいのだが。自然環境の遷移をただただ見聞きするだけなのは、なんとももどかしい。

 いつの間にか、ティーンエイジ・ファンクラブの来日が決まっていた。バンド結成30周年記念のツアーらしい。来年の2月4日、東京。2月5日の名古屋が「Aichi」の表記になっていて、少しだけそこに哀愁を感じた。2月6日の大阪は「Osaka」なのにね。午前中、チケットの抽選に応募する。スタンディング。残念だけど、ダイバーシティの2F席は、呼び屋さんの先行予約の中だけで消費されてしまったらしい。

 半分ダフ屋の某サイトでの売価は、定価の約2倍。手が出ない――情けない大人になったものだ。前回の来日を2Fの指定席で観れたことを思い出して、それに感謝する。しかし、同時に、TFCのライヴが催されたあの六本木にある糞みたいな箱は早く無くなってしまえばいいのにと、呪いもする。

 いつの間にか、オリジナルメンバーのジェラルド・ラヴが脱退していた。ジェラルド・ラヴがいないTFC。彼の不在に思いを及ぼしても、2月にやってくだろうTFCをイメージしてみても、僕の頭の中で像を結ばない。ジェリーがいないTFCが鳴らすジェリーが作った歌をどんなふうに僕は聴くのだろう。それすらも、像を、音像を結ばない。




 偉大なる一般人であるジェラルド・ラヴが、30年間いた場所にいない。他のメンバー(特にノーマン・ブレイク、レイモンド・マッギンリーのオリジナルメンバー)も十分「偉大なる一般人」なのだが。

 脱退の理由。キーワードのひとつが「生活」。ふるっている。

 悲しくはない。いまはただ、喪失感があるだけだ。