2017.10.16 - pending

 午前4時30分頃、目覚める。背中に何かが当たっているような違和感があり、手を伸ばしてゴソゴソと探ってみると、その正体は自転車の鍵だった。嫌な予感がする。家の鍵を確かめようと普段カギを入れている透明のガラスボウルの中を上から覗きこむと、案の定、家のカギが入っていない。布団の上部を探してみるが、ない。昨日仕事に着ていった服をチェックしてみるが、ない。鞄の中はと探ってみるが、ない。「めざましテレビ」の占いコーナーで僕の属する星座が12位、つまり最下位だったのだが、まさに起き抜けから今日は厄日だと思わせてくれるに足る鍵の行方だ。

 すっかり自己嫌悪モードに入る。こんなときは音楽を鳴らして、生活の流れを変えた方がよいと思う。だが、モードがモードだけに、衒いのない音楽は避けたい。France GallのようなポップやSly & The Family Stoneのようなファンクネスなどは禁物だ。ジャズの中でシャッフルをかけ最初に鳴ったのがBill Evans Trioの"Quiet Now"。「そうだよな、こういうときは自分を静かな状態に置かなきゃな」と無理矢理コンピューターの選曲を正当化してみる。


 アッパー系の曲や演奏、歌モノを飛ばしながら何曲かの演奏を聴く。心のどこかが揺らぎつつも、歯医者に行く準備をする。今日は先日抜いた歯のところにブリッジをつけてもらう予定だ。〔つづく〕