i don't want to believe it the catastrophe of vegalta sendai



 これで決定的となった。僕は渡邉コーチ(監督)が人間的には好きだがフットボールの、特にトップカテゴリーのクラブの指導者としては無能だと分かった。

 彼のフットボールに対する真摯な姿勢からそう判断したくはなかった。しかし、ルーキーの永戸が戦線離脱した程度の綻びで彼のシステムとマネージメントは崩壊した。ここまで指摘してきたように、用兵の妙も何もない。100歩譲って、選手のクオリティが低いのは、彼の思い描くフットボールをやりづらくしていると思われる。反対に彼は選手のポテンシャルや適性を最大化してできていないともいえる。

 あと14試合しか残されていない。以後もこの現状のまま仙台が同じ体制でゲームに臨むのなら、未来は厳しいと言わざるを得ない。結果としてプロビンチャが選手を高く売ることができなければクラブの経営が成立しないように、14試合後の仙台のコンストラクションは崩壊しかねない。それは東北の地からトップカテゴリーを戦場とするクラブが消滅することをも意味している。

 そう思うと、実に悲しい、悲しい夜だ。今宵のゲームのある意味主役を張った霧のごとく、気持ちが晴朗とは言えないところへ来てしまった。今の仙台にかかる「霧」は、今宵の霧よりもっと濃い。