new pants

 夜半、だいたい八時半ころだっただろうか、ZOZOを通じて注文していたチノパン二本が届いた。内訳は、nano.universeのブラックカラーのチノーズ一本とSEVENDAYS=SUNDAYのキャメルカラーのチノーズ一本である。
 
 これらのモノは、主に仕事時に履く予定のパンツである。僕がいま、日々の糊口をしのいでいる働き口はドレス・コードがあり、とりあえず合わせなければならない。コードを踏み越えそうで越えないよう、僕の好みを着る服に反映させてはいるのだが、このコードぎりぎりを綱渡りするよな感覚を抱くのが、また愉しかったりもするのである。

 話を本筋に戻すが、前回の注文で、標記のスペックから大きくズレたパンツが送られてきた。それで今回の注文をまたZOZOを通じて出すのは、多分に疑心暗鬼だった。だが、僕はリアル店舗で服を買うのが苦手で、「また今回も外れか……」と思いつつ、ポチってみたのだ。

 だが、それは杞憂に終わった。試着してみたところ、標記のスペックから大きく外れておらず、ほぼ表記の数値通りのサイズのパンツが届いたので、ひと心地ついた。

 なんだかんだ言っても、現物不在の環境で買い物をするのだから、モノになにかしらスペックからの逸脱があっても、おかしくはない。スペックを完全に体現している人間がこの世界に存在しないのと同じだ。人間は不完全な存在なのであり、言い換えれば、ミスをする存在なのだ。

 でも、サイズの合わないズボンが一本、ぽつねんと置いてあるのは、それはそれで忍びない。仕事が落ち着いたら、オークションか何かで、新しい主を見つけてやらねばなるまい。