between life and death

 写真を撮ることは楽しくない。
 生きていたいから撮る。
 綿々と続いていく時間に存在する生と死の狭間を〈死〉として残すことによって、僕は自分の〈生〉を確かめる。
 写真は時間の死の集積にほかならない。

 そこに写真技術の巧拙や理論は重視されない。
 ただ、生と死の狭間という瞬間があるだけだ。
 僕はそこで生きる。
 今はそれしかできない。

 音楽を聴くのもそれに近いものがある。
 駄文を垂れ流すのも同じ。
 そう、僕はこれぐらいしかできない人間だ。
 才能ある者は、その命を縮めるようにして生き、そして、死に逝く。
 才能なき者は、ただただ生き続ける。

 僕は全き後者である。


 今回の一曲:"A Night in Tunisia" by Art Blakey and The Jazz Messengers
 …… 生の横溢とは、こういう演奏のことをいうのではないか。