about friends

(12/24追記)

 友人というものは良いものだ。昨日酒と肴を介して交わったときにそう思った。
 そこにあるのは言葉や表情、身振り手振りだけれども、実のところは〈見えない気持ち〉を交換している。その場の〈雰囲気〉に織り込まれた〈気持ち〉を与えあっている。受け取りあっている。何か久しぶりに、そのことに気づいたような気がする。
 こわごわそろりそろりと相手の顔色を伺いながら話すのではなく、かといって剥き出しの感情をぶつけ合うわけでもなく、ごく自然に色んなやりとりをすること。その流れの中に身を置くのは、とても気持ちが良いものだ。
 このようなことができる人間と出会えたことは、そして時間がもてることはとてもとても貴重なことである。もしかしたら、そのように〈やりとり〉ができる人間と一生涯出会えない可能性だってあったのだ。
 たとえ、僕がその人に対してそれ以上の意識を抱いていたとしても、出会えたということだけで満足しなければならないことだってあるのだ。

 つまり、世界に向っていいたいことは、僕は幸せ者だよ、ということだ。
 怒鳴るわけでもなく、声を荒げるわけでもなく、耳に届かないような小声で囁くわけでもなく、何の意識もせず衒いのない普通の声でいいたいこと。
 ただただ、それだけのこと。

 世界へ向って僕が何をすればいいのか。どういう顔をしていればいいのか。どういう身振りをすればいいのか。どう考えればいいのか。誰をどういうふうに愛すればいいのか。どんな声をあげればいいのか。
 自分の思考では掴まえきれないことを空に示してくれる人が、僕にはいる。

 ありがとう。幸せ者だよ。