increasing the dosage

 今日は精神科へ。
 僕が休憩前最後の患者だからなのか、はたまた医師の機嫌が良いのか、色々と大学入試のことについて話す。
 医学部受験関係の話を。

 「精神科の仕事は患者に『休め』と言うことが大半ですから」
 「なるほどぉ」
 「僕も小論文やりましたねぇ。ものになったのかどうか分からないですけど」
 「え…っと、いま、ここで医者やっているじゃないですか」
 「あ、あ、あ。そうですね」

 どっちがどっちなのか、一瞬分からなくなる。
 こんな会話ができるようになった。
 こういう会話をしてくれるのも、この医師の心遣いだろう。
 プライドをくすぐってくれるのも、治療法のひとつ。

 ありがたい。

 投薬に関しては、この医師の処方で改善に向かいつつあるので信頼している。
 説明も論理的。
 「失礼かもしれませんが…」が深層の問題を論じるきっかけを開く呪文。
 いえいえ、こちらとしては全然失礼ではありません。
 もっと、深く掘り下げてもらって結構です、と言いつつこちらも対応する。

 そんなこんなで、トレドミンを増量することにする。
 マックス、一歩手前まで。
 以前トレドミンの増量で生じてきた胃のむかつきを抑える胃腸薬も処方してもらう。
 食が細くなり大分体重が落ちたが、これで少しは何か食べられるようになるだろう。

 これも、ありがたい。

 また、よろしく。
 ドクターH。