この歳になっても、まだこれは克服できていない。子どもの時のまま。なぜだろう、乗り越えようとはしているのだけれど。情けない限り。
――壁の高さ、向こうが見えない。
そして、分厚い。密度も高い。武鑓じゃダメみたいだ。もう何本折ったのだろう。
カメラを持てない。副作用だ。ファインダーから世界を見ようだなんて、これっぽちも思わない。
そんなこんなの繰り返し。今日はその繰り返しの隙間に靴磨きをした。ただただ疲れただけだったが、靴を磨ける程度には生活しているのだな、と独り言ちてみた。