2018.05.29

 ここ数日、白黒用カメラの設定に難儀していた。意図したところでピントが合わず、ぼやけた写真を撮り重ね、SDカードの容量を無駄にしてきた。各種の機能設定やパラメータ類もいじってみた。しかしメカ音痴の僕にとっては、何の機能がどう物理キーに紐づけられているのか、はたまた、何の数値をどういじくればよいのか、皆目見当がつかなかった。

 今日も、半ば諦めつつも、撮りたい光景が眼の前に展開されていたので、ダメもとと思いつつ、バッグからカメラを取り出し、スナップを撮ってみた。対象をフレーミングし、フォーカシングするためにシャッターボタンを半押しした。

 合焦した。そして撮れた。もともと設定していた機能のプログラムが実行されたのだ。

 オカルティズムが徹底的に排除された文明の利器も、こうなっては神秘の世界である。少なくとも、テクノロジーの長足かつあられもないスピードの変化にまったくもって疎い僕にとっては。

 さっき、遅い夕餉をとった。久しぶりにお茶漬けを食す。美味なり。