【11.1】
2017年も霜月に入った。この季節への名づけの通り、ここ数日、各所で初霜がおりている知らせを聞く。子どもの頃、収穫を終えた畑の土にできる霜柱の上を歩いて、さくさくと音を立てて歩くのが楽しかったことを思い出す。
コート、解禁日。
そうこうしてからラジオをハードディスク内の音源に換える。Foobar2000でジャズをシャッフルモードでかける。アンプはα9を、スピーカーはD-150を選択する。そして、仕事の準備をする。
着替える。ドアを開けて外へ出る。歩様が変わったのだろうか。右足のくるぶしの下に靴擦れができる。痛い。履きなれた靴なのだが、どうしたことだろう。痛くならぬ歩き方を模索しながら駅へ向かう。
午後8時40分頃、帰宅。朝と同様、ラジオをかける。夜に使うスピーカーはSS-86Eだ。夜の空気感と密閉型のブックシェルフ・ラウドスピーカーの間には親和性がある。部屋着に着替え、夕餉にする。食パン8枚切りを2枚、ハムを2切れ、それらに粗挽きの胡椒をふり食す。水を灰色の釉でニュウの入った茶碗で1杯飲む。その間に服薬する。(未完)
【11.2】
午前6時に起床する。昨日の朝とほとんど変わらぬ行動をとる。
……書いておかなければならぬと思ったコトがあったのだが、失念する。この歳になると物忘れが酷い。特に人の名前が憶えられない。かといってそれは特段、僕にとって困ることではないのだが。
なんか、もういいや。
注文していたこの秋冬の季節に羽織るコートが届いているとの知らせをメールで受け取る。このコートが今季の服のラストピースだ。配送先のコンヴィニへコートを取りに行く。だが、いざ引換券を出券しようと家でスマートフォンに控えてきた受け取り番号を入力したら「登録されていない番号」と機械の画面に表示される。入力し間違えたかと思いもう1度控えてきた番号を入力するが、結果は同様だった。いたたまれずコンヴィニをでて家路につく。
雨が降ってきた。そんな空気に触れたら、なぜかこの歌が聴きたくなった。
ARCH “on a rainy day”
(了)