朝、食パン8枚切り1枚を低脂肪乳で内へ流し込む。
〔つづく〕
〔承前〕
昼、食欲なし。缶コーヒー1杯。
そのまま仕事をする。前日たっぷりと睡眠をとったと思えば、訳はない。
新しく帰り道の途中に開店したもつ焼き屋を横目にしながら帰宅する。ああいう店の前でだんまりを決め込むのはなかなかに辛い。「串100円より」「下町ハイボール350円」――ちょっと高い気もするのだが、帰り道での寄り道の選択肢が増えるのはいいことだ。
帰宅。宵越しのダメージは、予想通り、さほどでもない。ただ、意識がささくれだっている。こんなときは逆の方向へ意識を引っ張るのではなく、ささくれを刺激するような体験をしてどん底まで落ち込んだ方が、リカヴァリーしやすい。だから、これを聴く。フィッシュマンズ『'98.12.28男達の別れ』。死が始まりを拒んだ音の記録。
この場に僕(たち)もいた。あれから19年になんなんとするのだが、なぜだろう、それだけの時を経たという実感が湧き上がってこない。つい昨日のことのように感じる。僕の周囲にひろがっている世界は時々刻々と変化をし続けているのに、自分の身体を含めたかたちが変わり続けているのに、そうして積み重なった記憶として時の存在を知らされるのに、この映像の中で、まるで封じ込めたかのように、フィッシュマンズを含む僕らは完全体となり、行きも戻りもできなくなってしまった。つまり、フィッシュマンズのこのあとの「19年」という時は、更新されなくとも古びてしまわないだけの強度を得てしまったのだ。
夜、食欲なし。カフェオレ(豆乳)数杯、抹茶オレ(豆乳)数杯、ルイボスティー1杯、お気に入りの茶碗になみなみと作り、飲む。
以前買っておいたスピーカーのウレタンエッジやラバーエッジを保護する和光ケミカル製の「シリコーンルブリカント」を取り出して、余っている古いタオル地につけて、エッジに塗布していく。SS-86Eのラバーエッジに光沢が戻る。D-150Liverpoolのウレタンエッジは、見た目があまり変わらないので、きちんと塗れたかどうかが気になる。
〔了〕