2017.08.09

 東京は、やっぱり暑い。日本でいちばん暑い場所なのではないか。それは気温や湿度といった数値によっては表せないし、物理的要素にも還元できない「暑さ」だ。東北のある街で仕事をし、そこで一泊してここに帰ってきただげなのに、そう思う。汗は噴き出るばかりで止まる気配はない。東京の夏だ。

 暑さのせいか、あるいは性質なのか、ここに書きたいことがあるのに、心の揺れが止まらず、書くのがままならない。

 仙台、ホームで磐田とドロー。

 フィッシュマンズを聴く。ベスト盤の『宇宙』を聴く。捨て曲がないフィッシュマンズだが、それらがメンバーの手で再構成されることでより濃度が上がっている。机の上のラウドスピーカーのセッティングを変えたら、そのことが揺れの止まらない心に響きわたって、そして沁みこんでいく。いちいち、詞が、音が、突き刺さってくる。そんな感じのなか、いま、キーボードを叩いている。

 だめだ。涙が止まらない。これ以上、『宇宙』を聴けない。もう何も書けない。やっぱり、僕はだめなんだ。こんなだから、だめなんだ。