the finest work song

 睡眠薬を飲んだのだが、いっこうに眠りの神様は降りてこない。
 仕事で神経を遣いすぎているのか、たいした仕事をしていないから心配になり神経が昂っているのか、理由は定かではないが、眠れない。不眠症が日々進行していくのが、今は辛い。
 仕方がないので、もう一錠ずつ、睡眠薬と安定剤を飲む。
 そうしてこれを書いている。

 もう何の才能もないのがわかったのだから、ある意味、開き直ってしまえばそれで済む。しかし、僕の中のくだらない自尊心が邪魔をしてそうさせてくれないみたいだ。
 我ながら、情けない。

 今日の講義で、君の人生の扉をほんの少しでも開けるようなことを伝えられたのだろうか。
 君の気付きの後押しを、ほんの少しでもできたのだろうか。
 くだらないことを言って、君の貴重な時間を浪費してはいないか。
 早口になって、伝えるべきことがおろそかになってはいないだろうか。
 君の役に、ほんの少しでも役に立っているのだろうか。
 君へのアドヴァイスは適切だったのだろうか。

 僕は水面の上に出て息を吸うことを許されない人間だが、悪あがきして、浮き上がろうとして、今の仕事をしている。
 それが君たちへの迷惑になってはいないだろうか。

 僕は誰の役に立てるのだろうか。君の役に立てていますか。

 限界が近づいている。あるいは、超えているのかもしれない。
 何もわからない。


 今日の一曲:"Season" by Fishmans
 …… 佐藤さん、元気にしていますか。そちらはどうですか。もしかしたら、もうしばらくしたら、そちらに行くかもしれません。
   その時は、よろしく。