だが、いつものようにウェブ上を逍遥していると、「RD-1」の記事に行き当たった。そのページにはこう書かれてあった。
「CDのレーベル面の印刷に用いられているインクに磁気が帯磁し、音質を損なう。そこでレーベル面を消磁すべきである」、と。
そこで、試しに次にリッピングする予定だったCDを、「RD-1」を使ってレーベル面を消磁してみた。そしてそれからリッピングしてみることにした。これまでは、レーベル面の裏面、つまり音楽データの読み取り面に対してのみ使っていたのだが、果たして――。
――音質が改善された。特に高音部の解像度が上がった。これには驚いた。読み取っているのは、データのやり取りのプロセスで外部から影響を受けず変質しないはずの「デジタル・データ」のはずなのだが……。
やはり、オーディオの世界は、デジタル化が進んだ今日においてもオカルティックな世界なのだった。いやはや、なんとも。
くわばらくわばら。